
ドン・バシリオは、インカの叡智を世代を超えて受け継いできた最後のシャーマンたちが暮らすケロス共同体の出身です。彼が話すのは、インカの母語として知られるルナ・シミ、つまりケチュア語のみ。祖先から受け継がれてきた知恵と精神性を、今も生きたかたちで伝えています。
シャーマニックな教えは、祖父から学んだものだといいます。家族、共同体、そして伝統への深い敬意のなかで守られてきたその実践に触れられるのは、きわめて貴重な機会です。現代的に解釈し直されたものではなく、長い年月をかけて育まれてきた文化の流れそのものに出会えるでしょう。
ドン・バシリオと過ごす時間は、真正性と祈りの気配、そしてアンデスに息づく記憶に満ちています。インカの知識が今も途切れず受け継がれていること、そして先住の伝統を本来の姿のまま守り続ける価値を、静かに感じられるはずです。